前回説明したギャップ効果なのですが、実は・・・数年に一度でいいので自分の性格の現状把握を紙に書き出して再構築しておかないと使えなくなります。
なぜなら、人間の性格は変化し続けるからです。
これはハーバード大学で19,000人以上の被験者に10年以上の歳月をかけて研究した結果わかったことなのですが、
人は自分が過去に起きたことで性格が変化したことは認められても、自分の趣味や信念が、ある日突然に変化することなどありえないと勘違いしてしまう傾向にあるというのです。
つまり自分の性格は、今の現時点が固定値であり、将来大きく変化することなどありえないと思っている人が大半なのです。
しかし現実は違います。
若いときにカッコイイと思っていたことが大人になると恥ずかしいことだと気がつく場面たくさんあります。
勢いでいれたタトゥーや、根性焼きの跡。
変な模様の洋服や、奇抜な髪型。
高下駄のような厚底ブーツに、鉛筆がのるぐらい長いつけマツゲ。
などなど、あげればきりがありません。
恋愛においてもそうですよね。学生時代のマドンナに片思いしていても、10年後の同窓会で再会したら、単なる太ったオバンになっていたなんてことはよくある話です。
この研究、最初は1995年半ば、次に2005年に行われたのですが、このとき「Big5」という性格的特徴についてのテスト調査をしているのですが、今回は、その5項目を公開します。
1.経験性「好奇心が強い?」YES・NO
2.勤勉性「マジメである?」YES・NO
3.外向性「人と騒ぐのが好き?」YES・NO
4.協調性「人の意見に合わせられる?」YES・NO
5.安定性「つねに心が落ち着いている?」YES・NO
この5つに今すぐ答えて10年後に同じ問題に答えてみてください。…と、いっても10年も待てないでしょうから、実験結果を紹介しますね。
被験者に10年前と10年後の変化を発表する前に、過去と未来について自己評価をしてもらいました。
すると、ほぼ全員が将来自分の性格が変わる可能性については否定したのです。
あなたは、今、いくつでしょうか?
20歳と30歳の自分は同じ性格でしょうか?
30歳と40歳の自分は同じ性格でしょうか?
40歳と50歳の自分は同じ性格でしょうか?
50歳と60歳の自分では…。
多くの人は、自分の性格は将来も継続して変化しないと思いがちですが、実際には違います。
小学生時代と今の自分が容姿も性格も変化するように、人の価値観は未来においても変化しうるものなのです。
しかし、それが変わらないと思い込んでしまうという誤認パターンは皆が等しく勘違いしてしまうことも事実なのです。
これは大規模なギャップ効果だと思いませんか。
つまり人は、変化にたいして敏感に反応しうる生物であるということがよくわかります。
だからギャップに惹かれるのです。
では人が変化を感じる瞬間とはどういうときだと思いますか?
それは「インパクト」だったりします。
脳に刺激を与えることで、記憶が活性化されることはご存知でしょうけれど、記憶したい出来事を選別することはできませんよね。
これは記憶に残るかどうか、心に残るかどうかは、印象に残っているかどうかが関係してくるからに他なりません。
結局、人が人を好きになる、きっかけとは、インパクトによる部分が、大きいのです。