人間の嘘や本心は視線にあらわれるとよくいいます。
嫌いな相手を目の前にすると、無意識に目をそらしてしまうなどの経験ありませんか?
例えば、電車の中で、好みのタイプがいた場合、何度も、その人のことを見てしまうのも、視線が心を表している証拠です。
見る相手が、自分の知り合いだったり恋人であれば、お互い視線を合わせて会話も弾むことでしょう。
しかし、それが他人だった場合、知らない人にジーっと見つめられると不快に感じますよね。
昔のヤンキー漫画などによく見られる、「何見てんだよ!?」と視線があっただけで喧嘩になるシーン、
実は、動物学的には、相手の目を見るという行為じたいが、攻撃を意味しているのです。
人間は、理性があるので、視線を合わせないように目を伏せることで、
その攻撃を交わしています。
では、電車で他人と視線が合うことは気まずいのに、
恋人同士ならば、好意的に捕らえられるのはなぜでしょうか。
この疑問を解決するべく
キンブル&オルスゼウスキーという学者が次のような実験をしました。
まず被験者を2つのグループに分類して、カメラの前で台本を読んでもらいました。
A:台本を棒読みの無感情で読んでもらう
B:台本を感情をこめて真剣に読んでもらう
この実験結果によりAの無感情の被験者に比べて、
Bの感情をこめて台本を読んだ被験者のほうがカメラを凝視する時間が長かったことが判明されました。
つまり人は、感情(怒りや愛情)がこめられているときに、
視線を見つめるということがわかったのです。
このときの感情の伝え方により、カメラを凝視する視線が異なることもわかりました。
悲しい感情:視線が下に向く。
怒りの感情:視線がまっすぐに向く。
笑いの感情:凝視する時間が長い。
このことから、恋愛で、好きな相手に告白するときは、
恥ずかしがって視線を下にそらして「好き」と告白するよりも、
相手の目をみつめながら「好き」と告白したほうが、
上手くいきやすいといわれています。
このように、人間が目を合わせるという行為は、
恋愛においても非常に重要な役割をもたらします。
例えば、会話をしている時間の61%は相手の目を見ているのです。
このとき1回に凝視する時間は平均3秒で、
お互いの視線が合う確率は全体の1%だといわれています。
また、お互いの視線が合うときに男女で心理に大きな差がみられます。
男性は、女性に見つめられると、その女性に恋心を抱きやすいのにたいし、
女性は、男性に見つめられても好きになることは、ないのです。
つまり男性の場合、女性の目を見続けても意味がありませんが、
女性が、気になる男性を見続けることで、相手が好きになる可能性は高くなります。
だからといって男性が女性を見つめることに意味がないわけではありません。
会話中に、視線をそらして話す人に比べると、
よく視線が合う人のほうが好感をもたれやすいというものがあります。
例えば、サングラスをしている人とは、視線を合わすことができないので、
人は警戒心を抱いてしまうのは、このためです。
また、視線を合わすときのテクニックとして、
いったん目をつぶってから開くと瞳孔が大きくなるのでルックスが良く思われます。
この実験結果は、最近のコンタクト業界にも応用されていますが、
ディファインという瞳孔を大きく見せるコンタクトを知っているでしょうか。
ヘス&ポルトという心理学者の実験で、次のようなものがあります。
男女の被験者を集め、何の関連性もない写真を順番に見せて行き、
その男女の瞳孔の動きを記録していくという実験です。
このとき男女ともに瞳孔が1番拡大したのが、ヌード写真を見たときだったそうです。
男性は、女性のヌード写真を見たときに瞳孔が大きくなり
女性は、男性のヌード写真を見たときに瞳孔が大きくなりました。
また、瞳孔の大きくなった被験者女性達の顔写真を被験者男性達に見せるという実験も同時に行いました。
1枚は瞳孔の大きくなった女性の写真。
1枚は瞳孔の小さくなった女性の写真。
2枚の写真は同一人物であるにもかかわらず、
ほとんどの男性被験者が同一人物とは気がつかず、
瞳孔の大きい顔写真のほうを「カワイイ」と判断したのです。
つまり、人は、瞳孔が拡大している人間を見るだけで、
自分に好意的だと勘違いしてしまうということです。
ということで、本日のまとめです。