俺がまだナンパ暦1ヶ月目の初心者だった頃の話。
正月からナンパを開始した俺は、ストリートナンパを中心にナンパをしていたが、やはり1月という寒波の時期ということもあり、街は吹雪になることも多い季節。
当時はスマホもSNSも存在していない。
少し先見の目がある奴ならば、PCからWEBサイトにアクセスする習慣があるわけだが、
まだ世界にグーグルもない時代、リンクを辿って自力で情報を得なければならなかった。
そんな時代の中で、ナンパの総本山として君臨していたのが、「ナンパ研究会」である。
通称「ナン研」と呼ばれるこのサイトは、当時はナンパ師たちのポータルコミュニティサイトとして、その存在価値が高かった。
多くの初心者ナンパ師たちは、「ナンパ仲間募集掲示板」を通じて、近場のナンパ師がいないか探すのであった。
例に漏れず、俺もナン研の「仲間募集掲示板」を観覧し、そこに書き込まれていた数人にメールを送信しナンパ仲間を探していた。
そして同時に個人としても「ナンピース」を立ち上げていたので、そこからきた読者と会い一緒にナンパする事もあった。
ただナンパというものは、どうしても相性というものがある。
女性との相性以上に、ナンパの相方としての男同士の相性が合うということは難しい。
ナンパ研究会で出会った人とは、合流しても、基本はソロでナンパして、2人組みの女がいた場合のみコンビナンパという手法をとっていた。
これも後に俺が「ナンパ師同士にはシンクロ率という相性がある」と提唱するのだが、別にエヴァンゲリオンに影響受けて言い出したわけではない。
実際にナンパ仲間同士の相性というものは存在する。
これはナンパの上手さ下手さは関係ない。
単純に、相性の問題。
各自にナンパスタイルというものがあり、それを相手によって変化させられる人と、まったく自分のスタイルを変える事ができない人もいる。
テンションの上がり下がりぐあい、声かけの第一声からファッションまで。
俺は表面的な自分というキャラを変化させることは得意だが、これが出来ない人は案外と多い。
例えば、声をかけるのに、酒を飲まないとナンパできないという人は、コンビニで酒を買うことからはじめてたりするし。
逆に俺はコスパ重視なので、そんな出費すらもったいないと感じるタイプだから、そういった内面的要素の部分でも相性の違いや価値観の違いというものは出てくると思う。
これは相手の好き嫌いではなく、やはり「シンクロ率」というしかないだろう。
とにかく冬の時期におけるストリートナンパは寒くて地獄なので、クラブナンパと並列して俺はナンパしていた。
「浜松町のクラブは21時までに入場すれば無料なんだって!」
ナン研で知り合ったナンパ師 ヨッシー が俺にそう言う。
俺とヨッシーのシンクロ率は、非常に低かった。
ナンパスタイルが合うことは無いが、1つだけ相性が合う箇所がある。それは…
コスパ重視であるということ。
ヨッシーは、とにかくコスパを気にするタイプなので、クラブが無料で入場できるとかの情報をつねにチェックしている。
俺「じゃぁクラブナンパをしにいこう」
冬場のストナンは厳しいので、春先までクラナン中心に切り替えることにした。
クラブに行く人ならわかるだろうが、クラブが盛り上がる時間帯というものがある。
終電が過ぎる深夜0時ぐらいから客が増え始めるのが通常だ。
21時ににナンパしてる奴なんか、俺とヨッシーぐらいしかいないわけ。
俺「ナンパ開始しようか?」
ヨ「人が少ないと目立つので嫌!」
はい!シンクロ率が0%です!(笑)
ヨッシーは無差別に声をかける手法から、マシンガンヨッシーと言われていた。
そのため人数が少ないとヨッシーのやり方は、通用しない。
一方の俺は、分析ナンパ主義なので、声かけで反応があったかなどを調査して手法を研究する。
などを女から聞きだして追求していく。
仮説を立てて、検証して結果を蓄積してパターンを生み出すというスタイル。
人が少ない時間帯でのクラブナンパで、しかも1人でソロナンパするさいに有効なのが間接法だ。
クラブでは入場のさいワンドリンク無料のチケットがもらえる、
あとはタバコを吸う人も多いので、そういった道具を使ってナンパすれば目立たない。
まずは、カウンター周辺にいる女をナンパすることからはじめる。
俺「かんぱ~い!何飲んでるの?」
女「ていうか、飲み物もってないじゃん」
俺「これはエアビールって言ってだな(笑)」
なぜドリンクを最初から注文しないのかというと、
踊ったあと喉が渇いたさいにワンドリンクのチケットを使いたいから。
どこまでケチなんだと思われるかも知れない。(笑)でも俺の中では、連絡先の取得コストをどれだけ下げられるかという考えがある。
当時俺がクラブナンパで連絡先交換した女の人数が1日10人ぐらいが平均。これが入場無料で、酒代も0円。さらに踊って遊んで、電車賃だけで楽しめる。
さいあく酒を2~3杯ほど飲んだとしても、入場料分のコストを考えれば、コスパはすこぶる良い。
そう言う意味で、21時に入場するメリットが俺にはあったのだ。
時間帯が早いと、ダンスフロアには人がいない。
いつまでもカウンター席でナンパするのも無理があるので、場所を移動しながらナンパすることになるのだが、
次に役立つアイテムがタバコだったりする。
俺「ちょっと火貸してもらえる?」
女「はい」
俺「ここのクラブよく来るの?」
こんな感じで声かけできる。
ちなみに俺は、今はタバコを吸わない。でもタバコを吸う女も世の中には存在するので、タバコの煙に対して免疫をつける意味で一時期は吸うようにしていた。こうすることで、
喫煙者の心理と、
禁煙者の心理の、
両方の心理パターンが把握できる。
そして、どちらのタイプにたいしても話を合わせられる。
喫煙者と禁煙者では、違う生物のような扱いをしあう、同時に属性が同じとなると、急にコミュニティとして親近感を沸くようになる。
見知らぬ人同士でも喫煙ルームでは、無意識に仲間意識が芽生えてるはずだ。
そういう心理を利用する。
酒やタバコは、そのためのアイテムでしかないので、そのものにたいして俺が依存することはない。
俺は自宅で酒を1滴も飲まないが、酒を飲む人に対応できるように、自分の体質を酒が飲めるように改善した。
ただそれだけのこと。
こんな感じでソロナンパをしていると、時間も0時近くなり、人がぞろぞろと集まってくる。
そう!クラブナンパのゴールデンタイムである!
この時間帯になって、ようやくヨッシーがナンパを開始する。(笑)
ここで、やっと2人組の女にコンビナンパでいけるようになるわけだ。
キヌコ(アパレル系)と出会ったのも、クラブでヨッシーと、コンビナンパしたときであった。
モデル体系で、スタイル抜群。
そんな彼女をナンパすると偶然にも自宅が近所ということもあり意気投合した。
俺「ぶっちゃけ凄い好みのタイプだから嬉しいわ」
女「え?」
俺「俺は踊りに行くから、今度ご飯食べに行こう?」
女「うん、わかった」
俺「いつあいてる?」
連絡先を交換すると同時に、次回のアポ予定も、その場で決めてしまう。
こうすることで相手の食いつき具合を判断し自分の時間を埋めていき、アポの優先順位をセグメントしていくという手法を当時とっていた。
そして俺は、あえてここで会話を長引かせずに、すぐに踊りに行き、場を去ろうとしてしていた。
どんなに好みのタイプの女であっても、それが即系ではない限りは、自分の情報は小出しにすべきだ。
そうしないと、トキメキ感が薄れていく。
人は未知なものに惹かれる傾向があるので、初回からお互いの情報を開示しすぎると「謎」が残らないのである。
個人に付随する情報など僅かなもの。
だからナンパの前半戦で連絡先を交換したのであれば、
ずっと話こまないで、理由をつけてその場を去るほうがベターである。
これこそ次のアポにたいする布石。
キヌコの友達は、ヨッシーがナンパしているので、そのまま、俺はキヌコと別れ、ダンスフロアへと移動。
踊ってたら外国人オヤジと意気投合したので一緒に踊りまくっていたら・・・
その外国人オヤジが踊ってる女に抱きつきキスをしはじめた!
ダンスフロアでのナンパ方法は、よくわからなかったので、その外国人オヤジと一緒に、俺も女に抱きつくと、
女もキスをしてくるではないか!
俺は思った・・・
「どーか他の女に見つかりませんように!」と。(苦笑)
こんなシーンを見られたら、ここまでクラブで連絡先を交換した苦労が台無しなわけだが、クラブナンパにおいては、場所を移動しながらやれば問題ない。
うまく人込にまぎれてしまえば、他の女をナンパしている場面を見られる可能性は少ない。
この見知らぬ外国人オヤジからも、学ぶことは多かった。
クラブでは、知らない男性と一緒に即席コンビナンパができるということも、このときに学んだ。
ありがとう!見知らぬ外国人オヤジ!
始発になったので、キヌコと一緒に電車で帰ることにした。家も近いので来週はデートすることになった。
自宅近くに展望台レストランがあったので、そこで晩飯を一緒に食べることにした。当時のアポは、ほとんどここだった。食事して自宅に誘い、そのままスムーズな流れでGET。
その日は、4時間ずっと耐久でHしてた。
美貌もさることながら、それだけ相性が良かったのだろう。
基本俺は、1回SEXしたら二度も三度も抱くことは少ない。女を家に泊まらすことも、あまりさせない。
でも、彼女とはなぜか何回もデートしてたし、何度も身体を重ねあってきた。
ある日、俺は電車の路線地図を見て<子供の国駅>という駅を発見した。
マニアック好きな俺は「後楽園遊園地みたいな場所なんだろう」と思い、彼女をつれて電車を乗り継ぎ、見知らぬ<子供の国>へ向かった。
到着してビックリしたよ・・・
たんなる平地の公園だった。(笑)
周囲は住宅街でやんの!
さすがの俺も、謝ったよ。
俺「スマン!いや~後楽園遊園地みたいな場所を想像してたんだが違ったなぁ…」
女「別にイイじゃない。近くでお弁当を買ってベンチで食事して風景を楽しみましょう?」
俺「そうするか」
こういう発言ができることがイイ女だったなと思う。
数多くの女性を抱いてきたからこそ感じるが、大半の女性ならデートでこんな、原っぱ公園に連れていかれたら不機嫌だろう。
でも、あらゆる出来事を、貴重な経験や体験談として好転できる。そういうところが中身もイイ女だったなと思うんだ。
はたからみれば彼氏彼女の関係に見えることだろう。
しかし俺にとって「付き合う」というハードルは非常に高く設定されている。
もうそれは家族を持ち子孫を作るのと同意語ぐらいに重いものが「付き合う」という事だったりする。
それの前段階に「キープ」(友達以上恋人未満)という関係性が存在しているのだと思う。好きだの愛してるだのといった言葉は、いっさい使わない。
俺が、そうした単語を使うようならば、それは次の段階に進みたがっているあらわれなのだろう。
この頃の俺は、20代前半。しかし彼女は年齢を最後まで教えてくれなかった。俺よりも年上であることはわかる。20代後半で結婚適齢期まぎわだったのであろう。
彼女が自分の両親に俺を会わせようとしたことを、俺が拒否したことから、関係性は崩れてきたと思う。
見た目も中身も、何一つ不満はない。
数多くの女性を抱いてきた今でも、なぜ俺は彼女を選ばなかったのだろう?と思うことはある。
理由は単純だ。
俺が若かったからだ。
初めてナンパを開始して、1ヶ月目で出会ってしまった関係性。
ナンパにも、
恋愛にも、
SEXにも、
当時の俺には、納得の行く「答え」が出ていなかったからだ。
もしも出会うタイミングや年齢や順番が違ったのであれば、別の選択肢もあったかもしれない。
今でもたまに、ふと思い返すことがある。
「アイツは本当にイイ女だったんだなぁ・・・」と。
結果報告
新規H:1人